2018年10月14日日曜日

子供の道徳心を育てるためには?



小学校の先生をしていたとき、
道徳に力を入れて指導していました。


教科書はつまらなかったので、
オリジナルの教材を作り、
映像も合わせて授業を作り上げていきました。


子どもたちが書いた感想からは、
自分がねらった意図を理解してくれていることが伝わってきて、
そのとき、授業が成功したという満足感を覚えていました。


でも、同時に、道徳の虚しさのようなものも感じていたんです。


子供たちは知識としてすでに答えを知っているんです。


例えば、思いやりが大切だなんてことは、
ずっと昔から知っていることです。


人に親切にしましょうってことだって知っていることです。


努力が大切ですよ。


そんなことも知っています。


それを教室の中で工夫して教えても、
果たして、どれだけ効果があったのかと疑問に思うこともありました。


そして、いつも考えていたことは、
道徳はもっともっと日常生活の中で学ぶべきことだということです。


道徳というのは一人では成り立ちません。

他人との関係の上で成り立ってくる科目です。


だから、他人との関わりがある日常生活の中で学んでいくべきことだって思うんです。


友達と遊びながら喧嘩をしてしまう。
そのときの言葉、表情、態度から五感を通して学ぶことこそ道徳です。


スポーツでも勉強でも、そのことを通して感じた学びが道徳です。


でも、子どもたちはどんどん忙しくなってきています。

そして、制限された生活の中で閉じ込められています。

危ないことを極端に避ける。
こうやって学びの環境が消えていきます。


私の子供が1年生のとき、
学校の担任から電話がかかってきたことがありました。


息子を学校で注意しましたと。
なんで注意したかというと、
友達と戦いごっこをしていたからだそうです。


戦いごっこは1年生の中で禁止されているそうです。

だから家庭でも注意してほしいとのこと。

学校で戦いごっこが禁止になって、
どこで戦いごっこをするんでしょうか?


戦いごっこをしたからといって、
大怪我につながることなんて、めったに無いです。


むしろ、そこから学ぶことの方が道徳的には多いのではないでしょうか?

ちょっと強めに叩いてしまった。

相手が泣いてしまった。

人を叩くときの加減を学ぶはずです。

泣かないようにルールを作るかもしれません。

謝り方を学ぶかもしれません。

戦いごっこ一つとっても
その中に道徳的な学びはたくさん隠れています。


それにもかかわらず、
学校がそれを奪ってしまうのは
とってももったいないです。


座って学ぶのが道徳ではありませんよね。

他人との関わりの中で学ぶのが本当の道徳です。

小さいお子様を育てているお母さんの中には、
どのような子育てをして良いかわからず、
とりあえず、小学校の低学年から学習系の習い事をさせる人もいます。

でも、本当に大切なことは、
友達と思いっきり遊ぶことです。

その中で学ぶことが本当の価値ある
人間性の芯となる道徳なんです。

そのことを知っておいてほしいなって思うのです。

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