2016年8月29日月曜日
バンコクで夢をもたない子どもたちが増えている
【バンコクで夢をもたない子が増えている】
実際に子供たちの前で話していて実感することです。
夢を聞いてみても
「別に何もありません。」という声。
また、もし答えてくれても
「普通に働ければいいです。」なんて声も。
そうそう。
「アルバイトがいい。」とか「サラリーマンがいい。」
とか、そのような声もあるんですよね。
アルバイトをするのもいいし、
サラリーマンをしたいということも別に悪いことではありません。
夢を持っていないからといって
何ら悪いこともありません。
でも、自由な発想を大人よりもっている子供時代に
夢を語れないほど冷めた気持ちになってしまっている様子や、
夢がみょうに現実的な手の届く範囲にあることは、
私たちが子供のころと比べてみると違和感をおぼえます。
どうしてこんなに冷めてしまったのだろうか。
気になってしまいます。
このような子どもたちの様子の背景に隠れている問題はたくさんありますが、
2つのことに限定して考えていこうと思います。
1)自分の考えをもてないということ。
2)考えがないから安易な正解を求めているということ。
まず、子供たちが通う学校教育が与える影響は大きいと思います。
バンコクならバンコク日本人学校ということになります。
子どもたちは学校では、
朝から夕方までずっと指示され続けて生活をすることになります。
指示されたことの理由がわかり、
納得して従っていればよいのですが、
たいていの子は理由を考えることなく
単純に従っているのみです。
例えば、バンコク日本人学校の小学部では
シャーペンは禁止になっていますが、
子供たちでシャーペン禁止の理由を知っている子は
肌感覚では20人中1人くらいでしょうか。
「なぜシャーペンは禁止なの?」
単純な質問でも子どもたちは答えがわからないんです。
「先生がダメと言ったから。」
「なんでだかわからない。」
これがほとんどの子の答えです。
シャーペンが禁止になっている理由もわからずに
ただ従うだけの自分たちの状況を当たり前だと信じて疑わない。
これは1つの例で、
学校ではシャーペンのことだけではなく、
行動1つ1つを先生に命令され、指示され、
それに無思考で従っているだけのことが多いのです。
次はこれしなさい。
それが終わればこうしなさい。
早く。速く。
はむかうな。
いちいち無駄口をたたくな。
子供たちはこんな感じで次々と指示に従いながら1日を
過ごしていきます。
それで自分で考える力が育つかといえば、
無理だということになりますよね。
では、夢の話に戻ります。
夢は何か?
自分が何が好きで何がやりたいのか
ということがわかっていないと
答えられないものです。
命令されることではなく、
自分発信の思いです。
日常から自分で考えることを
限りなく奪われた生活をし続けていた結果、
こんな単純なことにも答えられなくなってしまう。
さらに悲劇なことは、
自分で考える力が低下しているために、
無難な正解を求めてしまうようになることです。
どんな答えだったら夢として正解なんだろうか?
体裁よく話を終わらせることができるのか?
そんな思考の結果として、
サラリーマンという具体的なイメージもない答えが
返ってきてしまうのではないでしょうか。
そういえば親が言っていたな・・・
公務員!
自由に思い描いてよい夢であるはずなのに
無難な正解だと思われる答えを出してきます。
虫が好きだから昆虫博士になりたい!
サッカーが好きだからサッカー選手になりたい!
憧れで夢を描いてもよいのが子供の時期です。
成長したらもっと客観的に人生をとらえて
夢が変わる可能性が高いです。
でも、自分から夢を変える前に
大人が、もっと違う夢の方が良いんじゃないか?
と大人が思う正解に誘導する必要はないんです。
「高齢化社会だから福祉関係が良いぞ!」
「景気に左右されない公務員はいいぞ」
なんて。
「ゲームを創る人になりたい!」
「ゲームを創るなんて大変なんだぞ!」
と言っていきなり出鼻をくじく必要はないんです。
まずは夢を自由に語らせる。
伸び伸びとした思考を許す。
大人が先回りしてつぶす必要はない。
バンコクで生活している子どもたちが
夢を描けなくなった。
みなさんのお子さんや周りにいる子どもたちはどうですか?