でも、手放しで良いことだと言えるほど
単純なことではなくて、
行き過ぎると「子育て依存」
という状態になってしまう危険性があるんです。
依存状態というのは
自分の幸せが他人によって
決められてしまう状態のことを言います。
親が、自分の価値を
子どもの成長に極端に偏ってしまっている状態。
それが子育て依存です。
通知表の評価やテストの点数、
周囲の人の我が子への評価、
その他もろもろ子どもの結果を
自分の子育てへの評価、
自分の価値への評価だと勘違いしてしまうのです。
自分の幸せ、評価を子育てと重ねすぎると
子育てがうまくいかないときに
ひどいストレスにさいなまれます。
自分だけストレスにさいなまれるならまだしも、
子どもに過度なプレッシャーをかけてしまう人もいます。
親のストレスは子に伝わり、
親の悲しむ姿は自分の責任だと強く思い、
苦しむことになります。
自分が親の期待に応えられないことで
親が幸せになれないのではないか?
自分は親を悲しませる存在ではあってはいけない
と強い強迫観念をもってしまうと、
今度は子が親に依存した状態になってしまいます。
親からはじまった依存は子に伝染し、
親子が強い依存状態になってしまう
ということがあるのです。
親からの依存状態にある子は
とても神経質になりがちです。
自分の行動は親を喜ばせているのか
悲しませているのかと
顔色を気にし過ぎてしまうからです。
顔色を気にし過ぎてしまう習慣ができた子は
友達、先生の顔色も意識しすぎてしまい
おとなしくなる傾向があります。
気にし過ぎるあまり萎縮してしまうのです。
他人の顔色が気になることで
間違うことにひどく敏感になります。
間違った自分が他人からどう見られるのか。
間違うことは誰かを悲しませることでもあります。
間違うことは自分の評価を下げることにもなります。
だから、間違いを隠したくなるのです。
子育てで子どもを見守ることは良いことですが、
依存状態になってしまうことは
様々な弊害を起こすことがあるので
できるかぎり避けたいものです。
そのためには親である私たちが
まずは子ども以外にも自分の幸せになる別の価値を
もっている必要があります。
また自分自身の価値は子どもの能力で決まるわけでも
無いということを強く納得しておく必要があります。
依存状態になりやすい方は
自分自身が幼少期に親からの依存を受けていた
という可能性も高いものです。
親からの依存を受けて
大人になった人は
周囲の評価がとても気になってしまうものです。
別に自分の価値は他人によって決まるものではないし、
他人の評価は参考意見であって、
真に自分の評価を決める要素ではないと
納得しておく必要があります。
自分自身が親や他人の評価の視線から
逃れることができたとき、
自分自身も子どもに依存している状態から
変化することができるものです。
子育てはとても尊いものであり、
子どものことは見守っていき、
導いてあげる必要があります。
しかし、依存してしまっては
自分も子どもも苦しんでしまうということを
知っておくだけでも依存状態になることを
防いでくれるものです。
少しでも子育ての参考になればうれしいです。