「先生わかりませーん。」
子どもたちは授業中に私に質問してくれます。
わからないことは質問をする。
とっても良いことです。
でも、子どもたちの質問が
良いことだと言えない場面があるんです。
それは、1、2分も経たないうちに
わかりませんとあきらめてしまうことです。
そもそも算数や国語などでは
じっくり取り組む時間が必要です。
瞬間で答えがわかる問題もありますが、
基本的にはある程度は思考する時間が必要なものです。
この子どもがすぐに白旗を上げるということは
数年前から感じていたことなので
この子どもたちがすぐに諦めがちである
という傾向が強まっていることに間違いはなさそうです。
どうも子どもの忍耐力が低下しているようです。
私が確認できるのは思考レベルですが
肉体レベルでも同じかもしれません。
ではなんで忍耐力が低下しているのでしょうか。
簡単に思いつくことは
子どもたちが忍耐力を高める機会が少ないのでは。
ということです。
忍耐力を高める機会というのは
子どもたちにとって多少ハードルが高く、
何かしらの努力、手間暇をかけないと達成できないことを
与えてくれる機会です。
世の中が便利になればなるほど
困難なことがない環境になってきます。
例えばゲーム。
私が子どもの頃は
ゲームを途中でストップするときは
セーブするために
長いパスワードを1文字違わずメモする必要がありました。
別のゲームでは、ある場所に行かない限り
セーブはできず、その前で負けたときは
前のセーブ地点からやり直すなんてこともありました。
でも、今では瞬間でセーブできます。
ゲーム一つとっても見ても
必要とする忍耐力はかなり低下しています。
攻略本なんて買わなくても
ネットから簡単に攻略法が得られるのも
忍耐力が低下する一つです。
これは時代のせい、
手間が減ったのは時代のお陰と言えますね。
時代が便利になるとは
忍耐力を必要とした面倒なことを
面倒ではなくするということでもあるからです。
この流れはストップできません。
ただし、手が届かないところである
時代のことを考えていても何も変わりません。
私たちが考えるべきことは
子どもと接する私たち大人のあり方であるべきです。
その方が子どもの成長のためには建設的だからです。
では私たち大人は子どもたちの
忍耐力を高めるために
何ができるのか。
それは大人が子どもたちにとっての壁になることです。
テレビでは時々、友達の様な親子関係が出てきます。
とっても仲が良さそうで素敵です。
これはテレビが切り取った一側面であって
数ある失敗事例には目をつむり、
成功事例だけを放送している可能性があります。
決して正しい親子関係だとは言い切れません。
子どもの成長のためには友達関係だけではだめで、
ダメなものはダメと譲らない親の一面も
子どもの忍耐力を高めるためには必要となります。
子どもに嫌われることを恐れる大人もいます。
子どもと争いになることを恐れる大人もいます。
自分が嫌われないようにふるまうということは
大人としてはまだ精神的に自立できていないのかもしれません。
自分の評価を他者に依存している状態。
子どもに好かれるかどうかで
自分の価値が決まってしまう。
大人である私たちが
自分の価値を自分で決められる
精神的に自立している必要もあります。
子どもの成長のためには
好かれようが嫌われようが
遠慮しない大人である一面も求められます。
もちろんむやみに嫌われるような言動を
とる必要はありません。
しっかりと子どもの未来を考えて上での言動であれば
そう簡単に嫌われることはありません。
また、すぐに子どもを助けてしまう大人もいます。
転ばぬ先の杖という言葉がありますが、
子どもは転ぶからこそ
転び方を学ぶことができるのです。
最初から転ばせないようにしていては
忍耐力が高まるわけがありません。
さらに靴ひもまで結んであげる大人もいます。
子どもができることは子供にさせることが大切です。
集団で遊ぶという行為は
自分の思い通りにはいかないので忍耐力が必要です。
せっかく集団で遊ぶ機会があるのに
家に集まってゲームをして遊ぶ子たちもいます。
これは大人が友達同士で集まっているんだから
ゲーム以外のことで遊びなさいと声をかけても
良いものです。
いろいろと例をあげましたが、
忍耐力を高めるためには
どうしたらよいかを考えながら
子育てすることが便利である今の時代には大切です。
すぐにあきらめない子どもたちを育てるために
忍耐力を高める機会をどう増やすのか。
少しでも子育ての参考になれば幸いです。
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